売り手にお得な理論その2

プライシングに続きゲーム理論を用いた、またもや売り手に騙されやすい理論のご紹介です。これは、企業の戦略の一つで、マッチングプライス戦略(勝手に命名)なるものです。例えばある電気屋が『うちはどこよりも安くします。もしウチより安い店があったらそのチラシを持ってきて下さい。必ずそれより安くします。』という触れ込みをしているとします。

一見価格への信頼性を向上させているように見えますが、これに引っかかってはいけません。結局これは、同業他社へのシグナリングです。この状況をゲーム理論のペイオフチャートを使って説明しましょう。

金額は、各社が取れる戦略での利益を表しています。

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ここで、もしA社がマッチングプライス戦略、つまり他社と価格帯をあわせる戦略をとっているとします。そうするとそれを知っているB社は、右上と左下のどちらかが、ディスカウントして、どちらかが価格維持をするという戦略がなくなることを知ります。そうすると下の図のように、両社に残された選択肢は、{A社、B社}={価格維持、価格維持}か{ディスカウント、ディスカウント}の2つの均衡となります。


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さて、こうした均衡となる事を知っている両者はどうするかというと、もちろん、両社ともディスカウント合戦に陥るより、価格維持をとるわけです。結局、冒頭の『価格他店より安くしまっせ』といったキャッチフレーズは、目に見えない談合チックな結果を導くわけです。このフレーズを見かけたら、注意しましょう!

ちなみにこの解法は、ゲーム理論の囚人のジレンマから脱却するためのいくつかある方法の一つです。ここでは、囚人は企業ですが、、。MBAでは、こんな怪しげなことも教えているようです。

ちなみに、この戦略の利点は、もし、他社がゲーム理論の土俵に乗っておらず本当にディスカウント合戦を仕掛けてくるとしても、相手の価格情報を自分の手を煩わせずに顧客に情報を集めさせるというある意味情報集める費用を削減するという副産物的な効果もあります。悪い大人にはなりたくないなぁと思いました。ゲーム理論に興味がある方は、洋書ですが下記の本がMBAバイブルになっており、分かりやすくお勧めです。

http://www.artofstrategy.info/


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この記事へのコメント

M
2009年02月20日 05:45
ヨシさん
コメントありがとうございます。競合他社は絶対に西友の価格に合わせますよ。ただしウォルマートが親会社なので、あながちそのバルク戦略で他社が追随できないかも知れません。西友としては、顧客イメージの定着化が図られたところで、少しずつ価格を上げていくはずです(心理作戦でしょう)。でも、この理論はマッチしない例外ケースかもしれません。 やっぱり、良くも悪くもボチボチでんなぁーの大阪の商いのイメージがあります。特に他意なしです!

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